42万人超え待機者、なぜ入れない?

特別養護老人ホームの待機者が遂に42万人を超えたというニュースを見たことがあります。新聞などでもとりあげられていましたが、2009年12月に入所申し込みをした人数をまとめたところ、42万1000人いたということでした。

これはあくまでも申し込みをしている待機者であって、この中には特別養護老人ホームに入所できる規定に達していない人、要支援1、2の人も含まれており、さらに入居基準である家族の状況や認知症の状況、虐待のケースや、介護の居宅サービス利用状況などでも判断され、その入居基準を満たした待機者は9万5000人と推定されているので、この数字が真の待機者ではないかと思っています。 申し込みをしている方の約半数が在宅の人だったといわれています。

これだけの待機者が出た傾向には、やはり少子高齢化が進んで高齢者の人数が増加したことと、もともと特別養護老人ホームは、低所得者向けに整備していった事業でもあります。バブル経済が破綻してから急速に景気が後退して、さらにその景気が停滞している平成不況。一向に回復の兆しも見えずに、国民の所得少なくなってしまったり、年金の収入も減少傾向にあります。 そういった背景からも、特別養護老人ホームへ入所を希望している人が増えてきている状況です。

さらにこの待機者の数には地域による温度差があります。これは高齢者施設だけならず、保育園などの幼児施設にも地域による温度差があります。待機者がほぼ0の地域もあれば、数百人の待機者がいる地域もあります。このような地域格差も今後の社会問題となっています。 今後も特別養護老人ホームの増設も考えられますが、それにはたくさんの税金を投入する必要があります。ただでさえ財政が逼迫されている現状、そんなに数多く建てる財源も正直ありません。

そこで、民間の事業主に協力をしてもらい、社会福祉法人とは比べものになりませんが、サービス付き高齢者向け住宅を建築、運営することで、税制面の優遇などの措置をとっています。

特別養護老人ホームへ入居できない待機者の中で、サービス付き高齢者向け住宅に入居できるだけの経済力のある人、またこういった施設を周知していなかった人などを集客し、カバーできることを理想としています。